Martin freres 1740です。マーチンじゃなくてマルタン。海外でも製造年についてはかなり情報が錯綜、というか情報がないらしくブランド名を引き継いだ現在の会社が情報提供を呼びかけてるレベルらしいです。1740自体、製造は1946年～1960年まで行われていたらしいですが、製造番号から得られた数少ない情報から本品はおそらく1950年製と思われます。つまりは72年前！管体は非常に良質なグラナディラ（今じゃ入手が難しいレベルの材）スプリングはブルースチールという感じに現在のプロフェッショナルモデルに匹敵するポテンシャルを秘めています。何しろ72年間割れもなく、さらにはろくなメンテナンスもされずに今に至っている一本です。（整備はすごい大変だったです・・・）

タンポ交換は当たり前として全体としてきちんと管を含めて楽器として生き返らせることを第一に全体メンテナンスを行いました。ケースについてはホントは二本の取手がついてたはずなんですが、両方ともちぎれていたのでケースを改造して革の取っ手を取り付けました。


まだまだ練習中ですが自分でもクラリネット演奏ができるように修理と並行して演奏練習もしているところです。自分で弾いて確認できないものは売りたくないですから。

写真に写っているMartin freres純正マウスピースは付属しますが、流石に寿命来てる感じですので楽器屋さんにてご自身に合うマウスピースとリガチャーを選ぶことをおすすめします。
動作確認の試奏は私個人持ちのVandoren BD4+ダダリオHCL1S、リードはVandoren V21 3番で行っています。
古い楽器だと吹きにくいとかクセがあるとか思われるかもしれませんがそれは全くの誤解です。苦労するのは整備する私どもで演奏される方にとっては苦労も癖も感じないようにするのが筋ってもんかと思っています。私自身も演奏初心者ですので初心者視点で試奏をしています。それで問題ないというところまで整備して試行錯誤して吹きやすくしています。ですので、ベテランの方のみならず、初心者の方でもマウスピース周りさえご自身に合うものと出会えれば一生ものの相棒となるはずです。
70年以上生き残ってきた楽器ですのでものすごくよく鳴る管です。ですが眠ってたブランク期間も長かったような感じですのであなたの手でこのおじいちゃん楽器と歩んでみませんか？


（2022年 11月 26日9時 25分 追加）
A=440でバレル長63.5mmバレル内径管側22.5mm、マウスピース側22mmです。ちょーっと管側が細い仕様です。